炎天下の公園で
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季節は夏真っ盛り。
自分は当時千葉某所に住む学生でした。
いくら夏とはいえ、もう外は完全に帳が降りてはいたが、日中の名残りを未だ残し、身体からじわじわと水分を奪われ、部活帰りだった自分は堪らず、自宅まで歩いてあと10分という所を我慢できず、コンビニで買ったアイスを舐めながら、最寄り駅と団地を結ぶ直線上にある公園を近道の為に突っ切っろうとしたときの事でした。
「もう・・・」
微かではあるが確かに女性の声。
ふと目を向けると、正常に灯っている街灯からは遠いベンチに薄暗闇ではあるが蠢いている影が2つそこにはあった。
健全な男子としての本能なのか、すぐに自体を察し、身を隠しながら少しずつ近づくと、薄いピンクのワンピースとデニムのショートパンツを履いた20代前半と思われる若い女性と、それより少し年齢の高い男性がそこにはいた。
男性は女性を背中から肩を回し、豊満な乳房を弄っていたのだ。
「誰か来たらどうするの~?」
艶やかな声で猫撫声をあげる女性。
どう聞いても嫌がっているようには見えず、咎めているのは形ばかり。
男性は首筋に口をつけ、お構いなしにむしゃぶりついていた。
「ンッ…やっ…」
男性の愛撫に少しずつ昂ぶってきているのか、徐々に言葉らしい言葉を発さなくなり、脱力していく。
キャミソールに手を入れられてる為、乳房は見えないが、ついには両方の乳房を服の下から弄られ、なすがままになっていた。
ついには女性の方からも男性の股間を片手で弄りはじめたと思いきや、男性も右手で少し開いたふとももから股間に手を伸ばす。
「ンンッ!!」
少しばかり大きい嬌声が漏れ、それを抑えるように右手で自らの口を塞ぐ女性。
初めてみる生々しい他人の情事に自分も釘付けだった。
既に女性のショートパンツは下げられ、中からは黒のショーツが覗いており、男性の手がその下で蠢いていた。
「んんっ…あっ…んっ!」
女性は昂ぶっているのは明らかだが、強く場所を意識しているのか、噛み殺すように嬌声をあげている。
男性も彼女の耳元でなにか囁いてはいるが、正面の少し離れた場所で身を潜めているこちらには聴こえない。
「ハッ…ハッ…ハッ…んんっ」
女性は愛撫を受け徐々に呼気短くなり、表情も蕩け、視線が定まっておらず、時おり微かに身体を跳ねさせる。
AVで見るような激しい反応はないのにも関わらず、自分はひどくリアルな反応に目が離せなかった。
ふと男女の動きが緩慢になり、やがて男性は女性から身を離す。
場所を入れ替えるように女性はベンチに座り、男性がそれに覆いかぶさった。
女性は男性の首に手をまわし、おそらく口付けをしているのだろう。
そして男性の身体が動き始める。
「んぁっ あっあっあっ…」
やはり控えめではあるが、リズミカルな嬌声が上がる。
顔を男性の肩に置き、蕩けた表情で視線は虚空を彷徨っている。
彼女自身も腰を動かしているのか、時折肉と肉がぶつかる音が微かに聞こえてくる。
キャミソールがはだけ、デニムのショートパンツと黒いショーツは膝のあたりで垂れ下がっており、リズムに合わせて揺れている。
形の良い乳房が見え隠れする。
当時童貞の自分にとっては規則的に揺れるそれが蠱惑的に見えて仕方がなかった。
時折顔が男性と重なり、口付けをかわしているようだった。
整った顔立ちの彼女は一体どういう口付けをしていたんだろうか。
緩急をつけて押し付けあっていた腰が徐々に加速していく。
それに伴って女性の呼吸も早まり、嬌声も余裕がないものに変わっていった。
「あっ あっ んっ! ンンッ!!」
男女の身体が強張り、女性は口を男性の肩に押し付け、足を身体に巻きつけていた。
少しすると女性は惚けた表情で顔を正面に戻す。
だらしなく口を開け、浅く呼吸を繰り返していた。
固唾を飲んで見守っていたが、終わった事を悟ると、急に罪悪感がこみ上げて来て、いたたまれない気持ちになる。
足音を立てないようにその場から静かに去ろうと身を起こそうとすると、男性の肩越しに女性と視線が交わる。
「…ふふっ」
彼女はこちらに微笑み、小さく手を振っていた。
男性も振り向き、にっと笑っていた。
彼女達は気付いていた。
気付いて見せつけていたのだった。
顔が熱くなるのを感じながら、その場から一目散に逃げ出した。
自宅に帰っても、そして何年たってもあのときの記憶がずっと残っている。
その後、同じ公園に同じ時間帯に通っても目撃する事はなかった。